kero2021のブログ

マレーシアに、痴呆の母と共に親子留学中。そんな3人の日常を描いた奮闘記。

魔物たちの誤算

マレーシアに子どもがオンライン留学中です。

日本の自宅での隔離がスタートしました。

さて。

これから私が話すお話は、シェイクスピアの『真夏の夜の夢』を高校生の時にアレンジした台本を書いた、一主婦Aが描く物語。

『真冬のお昼寝』 第1章 ホテルを管理する魔物たちのつづきです。

 

3 魔物たちの誤算

 

部屋でさんざん待たされて腹が立った私は、19:00にフロントにいたMr.グランに八つ当たりに近い状態で、電子機器の入ったZUCAを預けながら言います。

私:「さんざん待たされて、いったいどうなっているの?」

Mr.グラン:「いったい何のことでしょうか?」

私:「私のものが盗まれたと言っているのに、いったいどうなってるんですか❕私の時間を返して❕❕❕」

 

Mr.グラン:「何が、いつ盗まれたんですか?」「誰と話したのですか?」「電話では何と言われたのですか?」

彼は、私の拙い英語を私にもわかるように、何度も聞き直しながら、話を整理してくれました。

しかも、彼は「それは、申し訳なかった」と代わりに謝ってくれたのです。

その様子に、私はこの人の名前は聞く必要がない(彼は関係ない)と判断し、友人Mと娘を連れて、朝食で使うレストラン横の軽食のできるブースで夕食を食べました。

ビーフベーコンとヌードルの美味しい、いつも時間ギリギリにかけこむ私たちを温かく迎えてくれるスタッフさん。(一部、嫌そうな顔もされる方もいますが💦)

その際、私がわかっている範囲で、ホテル内で軽(?)犯罪に巻き込まれるところだった話をしました。

まだ大学生の友人Mは、軽犯罪ともう一つ気になるやりとりの話をすると、さすがに怖がっていました。

 

しかし、ほっとしたのもつかの間。

部屋に戻って、シャワーを浴びている時、ふと気づいたのです。

もし、Mr.グランも犯罪グループの仲間だったら?

彼は、名前を名乗らないはずだと考え、ちょうどトイレットペーパーも切れたので、フロントに電話をいれました。

ローカルな地域では、トイレットペーパーがないトイレは普通ですが、さすがにプチョンにある長期滞在型のSホテルなので、トイレットペーパーとティッシュペーパーの予備こそありませんが、セッティングはされています。

でも、こんな時でも快腸のAさん。

足りないんですけど…(笑)

羨ましい限りです。

私:「トイレットペーパーがなくなってしまったので、お願いできますか?」

フロントのスタッフ:「いいですよ」

私:「さっきはお騒がせしてすみませんでした。とても混乱して、腹が立っていました。」

フロントのスタッフ:「気にしなくていいですよ。大丈夫です。」

私:「もしかして、あなたは親切に対応してくださった方ですか?私はあなたの上司に、彼は素晴らしいと伝えたい❕❕名前を教えてもらえますか?」

フロントのスタッフ:「そんなのいいですよ。私の名前はグランです。G・R…」

彼は、やはり関係がないのでしょう。

そして、その間に犯罪グループは次の作戦を練っているか、間に合わなければ、何食わぬ顔で、明日電話を入れてくるかもしれません。

A・B・C:「体調が優れないので、休みが欲しいのですが、問題ないでしょうか」と。

コロナ禍なので、そう言われれば、休みを出さないわけにいきません。

彼女たちがその後、平然として出勤してくるようなら、次のターゲットを探しに戻ってきたということなので、これまでのお客さんから情報を集め直し、証拠を押さえて、警察に捕まえてもらうチャンスです。

こんな長い話は、ただの作り話だと思うことでしょう。

でも、日本は違います。

少し前から、オレオレ詐欺という、高齢者を狙った詐欺グループが横行しており、この話に類似した流れで犯罪が横行しているのです。

日本の警察は、こういった話に騙されないよう、似たような状況になった場合は、すぐ周りの人に相談するようニュースで何度も忠告を流しています。

この台本は日本語がわかる人間なら、いとも簡単にマレーシア版にアレンジできるということです。

また、ICTが進んでいない日本では、そのまま詐欺グループは住居を変えるだけで、行方をくらますことができるのです。

つまり、もし日本語通訳がとても若くて知的で、フットワークも軽く、このご時世にMM2Hを取得していたとしたら、オレオレ詐欺グループの主犯だった可能性を疑わなくてはなりません。

 

そしてこの後、私は彼らの本当の目的に気づくことになりました。